続・イトオくん

ベランダに来るイトヒヨドリの雄(略してイトオくん)の話し

 

マンションの七階。

早朝、イトオ君のさえずりが聞こえてくる。

遠からず近からず。

おっ、だいぶ近くなってきた。

上下左右二、三軒あたり。

次はうちにきてくれるかな、なんて期待して待つ。

待つ。  待つ。

あれ?遠のいている?

しまいには聞こえなくなったさえずり。

 

 

そして悟る。

数ある愛人宅のひとつだったのね。