諸行無常の響きあり

介護施設に入っている父に久しぶりに面会に行った。

前回はわたしのことはもう忘れていた。今回はかろうじて思い出せた。

職員の方から渡された何枚もの書類にサインをしながら、認知の進みぐらいはどうだろうと思って、父へ日付や自分の名前、孫の名前などを聞いてみた。日付は言えなかったが執着のある母の名前は覚えている。

そんな会話をしていたら、父がおもむろに私に向かって言った、

「これは、馬鹿になったかどうかのテストなんだろか?」